2007.07.09 Monday

特待生

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    イワナシ
    イワナシ
     高校野球の特待生問題が,再びマスコミに登り始めた。
     ”アスリートの育成”とか”子どもの夢を大切に”とか,きれい事が並べられているが,そんなことばかりじゃない。
     高校野球は,「甲子園」を主催するA新聞社を初め,マスコミにとっては格好の素材であるし,なかなかマイナスイメージは記事にしない。

    1 「特待生は,一般生徒の授業料で授業を受けている」
     特待生といっても,その分のお金をだれか(学校法人など)が出しているわけではない。私学は,生徒の授業料や各種補助金で経営されており,もし赤字になれば法人が穴埋めをするが,そうでない限り,総収入で経営されている。乱暴な言葉だが,表題のような言い方もできるのである。

    2 「特待生は私学の広告塔」
     ひとたび甲子園に出場すれば,新聞やTVで学校の名前が連日報道され,知名度は一度に高まる。もし,同じだけ有料で広告を出したならば,数千万円あるいはそれ以上かかると言われる。私学経営にとって,甲子園大会は最大の広告効果があるのだ。

    3 「私学と公立校の不公平」
     高校生で野球をやっているのは私学だけではない。ところが,全国大会に出てくる高校は圧倒的に私学が多い。私学は,特待生で優秀選手を獲得できるが,公立校ではそのような制度はないから,優秀選手を集めるのには限界がある。これらが,同じ土俵で戦うのは,どうしても不公平だという気がしてならない。

    4 「野球は特別」か
     他の競技では特待生が認められているのに,野球で認めないのはおかしいと言う声を聞く。一応もっともな意見だが,これも,背景を考えないと簡単には同意できない。高校や中学の部活動でも,本来サッカー部やバスケット部などと同じに扱われなければならない「野球部」も,特別扱いされていることが多い。
     野球の頂点には「プロ」があり,その経済規模は莫大である。サッカーやバスケットにも「プロ」があるが,「プロ野球」に比べてその経済規模は比較にならないくらい小さい。その意味で「野球は特別」なのだ。
     野球少年達がプロを目指して夢を見るのも,そこに経済的成功があることは否めない。松坂の契約金が100億とか聞くと,そこに夢を抱くのは当然のことだ。

    5 野球には金がかかる
     野球部の活動には金がかかるのは事実である。用具費などは他の競技と大差ないが,最もかかるのが遠征費である。野球部は,遠征によって練習試合を重ね,強くなっていく。この経費は全て受益者(保護者)負担になる。
     甲子園大会出場にも巨額の経費がかかる。開会式に参加し,第1試合が大会5日目などとなると,もう悲劇だ。遠方からの参加になれば,途中帰省することもできず,練習や観光で時間を潰し,旅館に居続けることになる。
     甲子園大会出場が決定して,学校関係者がまず最初にやらなければならないことは,寄付集めである。卒業生や地域の商店街を廻り,寄付を募っていく。景気の良いときならいざ知らず,不景気の今は,寄付金もあまり集まらない。そこで,在校生や職員から半強制的に寄付をさせることになる。

    6 学校教育とスポーツ活動
     スポーツ活動によって,様々な教育効果を得られることは十分に理解できる。しかし,スポーツに「学校教育」と相容れない部分があることも事実である。
     ある国会議員が「オリンピックで金メダルを取れないのは,学校で勉強ばかりやらせているからである。もっとスポーツをさせないとだめだ。」と息巻いていたが,これにはちょっと誤解がある。(こんなレベルの国会議員が多くて困る)
     学校教育で行うスポーツは「学校体育」の一環であり,決して「スポーツ選手の育成」ではない。学校体育の対象は一般の市民であり,選ばれたアスリートではない。トップアスリートを育成するためには,そのような仕組みが必要であり,そこまで学校にやらせようとしてもそれは無理な話だ。
    2007.01.19 Friday

    栃木県立宇都宮東高等学校附属中学校

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       先日,栃木県初の「公立中高一貫校」の入学者選抜が行われた。

       新聞報道によれば,募集定員105人に対し,966人が出願したという。実際に適性検査を「受検」したのは950人で,適性検査合格者の中から抽選で入学者を決めるという。

       抽選の導入については様々な論議があるが,受験競争の低年齢化を招かないために,学校教育法施行規則で,公立の中高一貫校の中学校では学力試験をしないことが定められいる。

       つまり,適性検査は,「優秀な者を選抜する」のではなく,「不適格者を除く」ために行うのだ。栃木県教委も「これらを踏まえ,抽選をすることにした。順番をつけるのではなく,中高一貫校で学ぶ意欲と適性の一定以上の水準があれば入学候補者とする。候補者全員に入学してほしいが定員があるので,最後は最も平等で公平な抽選をする。」と説明している。 

       しかし,発表された検査合格者の人数を見て疑問が残った。受験者950人のうち,検査に合格したのはたったの182人だった。なんと,768人もの受験者が「不適格者」とされたのである。この学校には,それほどハイレベルなエリートしか入学する資格がないのか。県教委の説明が,何とも空々しく聞こえる。

       大手の学習塾担当者は,「この適性検査で高い得点を取るためには,塾などで特訓しなければ無理だ」と言っており,県教委の言っている「学校できちんと授業を受けていれば十分に答えられる。」と,真っ向から対立している。

       「過度の受験競争,受験競争の低年齢化を招かないように」配慮されたはずなのだが,結果として,受験競争と受験競争の低年齢化に拍車をかけた形になっている。次年度の入学者選抜がどのように行われるかは,今のところ未定だが,大きく変わることはないだろう。だとすると,入学希望者は競って塾に駆け込むことになるのだろうか。

       学校側にも同情する事情はある。鳴り物入りで開校した学校であり,どうしても「結果」を求められる。「結果」とは,6年後に一流大学へ合格させた人数でのことであり,とすれば,少しでも学力の高い者を入学させたいと思うのは,学校当事者としては至極当然なことなのだ。
       「結果」は,大学への合格率だけではないだろうなどと言っても,そんな言葉はもはや通用しないところまできているのか。
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