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2011.05.19 Thursday

滑落

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      5月15日,かねてから行きたいと思っていた奥白根山に,冬道を通って行ってきた。その帰路,急傾斜の登山路で滑落してしまった。
     その詳細を報告する。
     滑落したのは,小さな尾根をトラバースして,傾斜が緩くなる二股までもう少しというところだった。地図の赤丸地点。
     急斜面の下り坂で,谷底のルートだった。滑ってもルートから外れる心配はない。雪面は,登山者のステップによってかなり凹凸ができていた。できるだけそのステップを利用して下っていたが,利用できないときはかかとを強く踏み込むことで新しいステップを作りながら下っていた。しかし,雪はかなり柔らかになっており,ステップも崩れがちだった。
    登りではピッケルを使っていたのだが,下りでは,そのほうが安定すると思い,雪用のバスケットをつけたストックをダブルで使っていた。
     踏み出した右足に体重をかけたところで,その足が流れた。まず,しりもちをつき,そのまま足を下にして滑り出した。冷静に!冷静に!と自分に言い聞かせ,両手に持ったままのストックでどうやって止めるかを考えた。その間にも,左の脇腹を雪面にこすりつけて,凹凸のある雪面を小さなバウンドを繰り返しながら,滑っていった。加速度が付くとますます止めるのが難しくなるので,早く滑落停止の行動をとらなければならないことは分かっていたのだが,どうして良いか分からない。ストックは,ストラップを手首に通していたので,失わずに手元にあったので,これを使って止めるしかなかった。ピッケルを用いた滑落停止は,訓練で何度かやっていたのだが,ストックでの滑落停止訓練は気休め程度しかやっていなかった。
     まず腹ばいになり,左手で右のストックのバスケットのすぐ上をにぎり,雪面に突き立てた。加速度が付いていてすぐには止まらなかったが,数回突き立てて何とか止めることができた。最悪のことも頭をかすめたが,何とか止めることができた。ゆっくりと立ち上がり,横に動いて安全な場所にザックを降ろした。幸いなことに大きな怪我はなかった。途端に両足がガタガタと震えだした。気持ちが悪くなるほど心臓が激しく打っている。しばらく何もできなかった。
     帰宅後,ガーミンの記録を調べた。

     索引の1876から1884までの間で区間速度が10km/h〜20km/hになっている。普通の歩行では区間速度が1km/h未満なので,ここが滑落していた区間と見られる。1875と1876の間に滑り始め,1884と1885の間に停止したことが分かる。
     区間の長さを合計すると,滑っていた区間は68mだった。高度では38m,滑っていた時間は16秒だった。記録を見るまでは,漠然と,滑落した距離は50〜60m,時間は10秒前後と思っていたのだが,実際には,もう少し深刻な状態だったことが分かった。

     滑落の直接の原因は,不注意な足の運びと言うことになるが,その前提として「疲労」がある。足の筋肉が疲労し,踏ん張れなくなっていたこと,バランス感覚が衰えていたことなどがあげられる。疲労については,自分でも気がついており,避難小屋へ下るのを止めたのも,それが理由の一つだった。滑落の停止行動については,実地に行ったのは初めてだが,訓練として何度かやっていたので,比較的冷静に対応できた。訓練も無意味ではなかったと改めて思う。

    コメント
     BAKUさん,こんにちは。コメントありがとうございます。ピッケルについては,全くその通りだと思います。
     ストックについては,漠然と,「下りでは楽」と思って使ったのですが,傾斜がきつい斜面では,楽ではありませんでした。確かに,平地や,傾斜が緩い場合にはダブルストックは楽ですが,急傾斜では全く頼りない存在でした。
     滑落停止より,まず,滑らないように気をつけることが第一です。今回の経験を大切にして,安全登山を肝に銘じて山歩きを,もう少し続けたいと思っています。
    • つか(管理人)
    • 2011.05.20 Friday 11:26
    つかさん今晩は・・・
    奥白根お疲れ様でした。菅沼ルートの冬路って急傾斜なんですね。一度行ってみたいと思い中々チャンスがありません。来期アタックしてみますね。
    滑落・・・大きなアクシデントもなくほっとしました。
    原因をつかさんも分析していましたが、疲労って大きいですよね。私も最近身にしみて感じています。
    ところでこの急降下でピッケルの選択は無かったのでしょうか。ピッケルは滑落を止める用途の他に、2点歩行で滑落を防ぐ用途がメインなんです。
    しっかり雪面に刺して2点歩行を続けていれば滑落は無かったように思えます。
    たしかにWストックで降下すれば疲労はかなり防げますが、滑落したら止めようがありません。せめてシングルストックならば滑落停止もやり易かったと思います。
    私もまだまだ山には通い続けたいです。足腰を鍛えて?もう少し長持ちさせてやろうと思っています。
    またご一緒させてくださいね。
    • BAKU
    • 2011.05.19 Thursday 20:32
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